すぎやま病院　健康コラム「更年期障害」について

季節の気をつけたい病気や身近な病気について、原因と予防、対策法をご紹介します。
毎日の健康管理にお役立てください。

更年期とは40代後半から50代前半をさします。この年代は男女ともにホルモンの分泌が減っていき、性成熟期から老年期へ移行していく重要な時期であるため、身体にさまざまな変化が起こります。これがいわゆる更年期障害と呼ばれるものです。最近では男性の更年期に対して認知が高まりつつありますが、まだまだ「女性特有のもの」と思われがちで、更年期と気づかずに苦しんでいる男性も少なくないようです。

更年期の気になる病気

更年期障害にはストレス、環境の変化、性格なども影響するため個人差はかなりあります。更年期の初期サインとしては、女性は月経不順、男性は性欲減退といわれますが、人によって症状はさまざまで放っておくと重い病気にかかることもあるので、心身の変化をできるだけ見逃さないようにしましょう。

予防と対策

ホルモン補充や漢方薬を試す
減少した女性ホルモンや男性ホルモンを製剤で補うホルモン補充療法のほか、当帰芍薬散、朝鮮人参などの漢方薬を服用し、身体全体のバランスを整える方法があります。

生活習慣を見直す

ストレスをためない、十分な睡眠を取る、血行不良にならないよう冷えに注意する、適度な運動を心がけるなど、生活習慣を見直すことが大切です。

必要な栄養成分を補う
別名「植物性ホルモン」と呼ばれている大豆・黒豆に含まれている大豆イソフラボンや、ホルモンのバランスを整える亜鉛、ホルモン分泌のコントロールを助けるビタミンE、骨粗しょう症や骨軟化症を予防するカルシウムを意識して摂りましょう。

心のケアに努める

自律神経の働きを整える自律神経調整薬を試したり、抗うつ薬、抗不安薬も効果があります。また家族や親しい人に話を聞いてもらうだけでも、心の負担が軽くなり症状が改善するケースもあります。